「V・ファーレン長崎」を経営難から救い1年でJ1に昇格させた男
「今季、われわれはJ1を目指します。V・ファーレンも大変でしたが、皆さんのおかげで元気を取り戻しつつあります。ここからさらに改善していくために、現状を分析しながら立て直していきます。ですので皆さん、どうかこれからも応援してください!」
夏真っ只中の8月にファンに向けて1人の男が語りました。
「J1」を「ゼイワン」と発音する、独特の語り口。そして、見る者をうならせてやまない巧みな話術。今年4月25日にV・ファーレン長崎の社長に就任した、ジャパネット創業者高田明。
僕はこの時の就任スピーチをチラッとみた程度でしたがとても印象的でした。
そして、就任から約半年の2017年11月11日。宣言通りJ1への初昇格を果たしました。
僕は高田社長が語ったある部分がJ1昇格を現実的なものへと変えたのではないかと思っています。
【ここからさらに改善していくために、現状を分析しながら立て直していきます。】
現状を分析しながら立て直していきます、に込められた覚悟。一体高田社長は何をしたのでしょうか。
J1昇格が決まった直後でこんなことを語っています。
―何から着手したのか。
会社の仕組みができてない。まあサッカーだって経営ですよね。収支が合って初めて夢に近づく、やりたいことができるわけですから。経営の観点からクラブ運営がなされていなかった。ある面で「お金がなくてもこうしたい」と誰もが思うけど、私の経験上、やっぱり夢はそれを実現できるほどの、お金にしても、人にしても、なかったらできない。組織や人、資金がない中で、夢だけが先行しちゃったかな。夢を持っていたことを、前の経営者にどうこう言うことはない。同じくらい長崎を愛していたのだろうと思う。でも身の丈に合った経営あってのこと。「こんなにないの」というのが一番。組織もこんなにできてないの、と。半年で、こう言えるところまで、できてきたねという感じ。まだ完成ではない。どれだけ完成度を高められるか。
そう感じた高田社長は、まずジャパネットHDの経営方法にならってノウハウを活用
し、情報整理、労務整理を行います。
一方でトップ営業としてスポンサーを探す活動を行いました。
「営業も最初はやっぱりゼロから見直して、新しく発掘しないといけないところがある。」そういう思いから自らが動いたそうです。
とはいえ、高田社長が言うようにマイナスからゼロに戻せた程度。(たった半年と考えるとすごいけどw)
ましてや実際にその変革が、サッカーの試合の勝ちに直接的な何かをもたらしたとは言えないと思います。
ただ、高田社長の働きかけや組織改革により、チーム(会社)、ファンの意識は変わり、J1を目指す資格のあるチームになっていったのだと思います。
その結果、選手はサッカーに集中ができ、観客も日を増すごとに増員。
新しい盛り上がりを創り出しJ1昇格を果たしたのだと思います。
僕は高田明という人物を通販の人という程度でしか知りませんでしたが、”人を動かす力”というのは誰よりも長けているというのが今回のV・ファーレン長崎の昇格をもって感じるとることができました。
来年、厳しいJ1の戦いに向けて、高田社長がどんな施策を施すのか?
サッカーヲタクとしては注目したいポイントです。
V・ファーレン長崎J1昇格おめでとう!